役員運転手とハイヤーはどう違う?利用するならどちらがよい?
企業の役員の移動手段にはさまざまな選択肢がありますが、よりよい移動手段としては専属の運転手をつけるという選択肢があります。専属の運転手をつける場合は、役員運転手かハイヤーを検討することが多いですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。本記事では役員運転手とハイヤーの違いを、メリット・デメリットも合わせて解説します。
役員運転手とハイヤーの違い
役員運転手とハイヤーには、実は細かな違いが多くあるのです。たとえばわかりやすい違いは、使用する車両のナンバープレートの色にあります。役員運転手は多くの場合白ナンバーの社用車を使うのに対し、ハイヤーは緑ナンバーの車両を使います。ここではそのほかの違いについても見ていきましょう。
ハイヤーは2種免許が必要
ハイヤーはタクシーのように営業目的で人を乗せるため緑ナンバーが与えられ、運転には2種免許が必要になります。
一方で役員運転手は営業目的で人を乗せるわけではなく、使うのはあくまで白ナンバー車両になるため、運転にあたって2種免許の取得は必要ないのです。
運転手の雇用・勤務形態が異なる
役員運転手は、自社で運転手を雇うか運転手を委託会社に依頼するといった方法があります。自社で役員運転手を雇用する場合は、もちろん彼らの労務管理なども自社で行う必要があります。また役員運転手は、ほとんどの場合役員のいる企業に直行したうえで業務にあたります。
一方でハイヤーの場合は、ハイヤー会社の持つ車両を使用するため運転手だけを依頼することはできないのです。加えて、ハイヤーはハイヤー会社から業務用車両に乗るところから勤務が始まります。その後、役員のいるクライアント企業へ向かうのです。役員運転手とハイヤーでは、それぞれ雇用・勤務形態が異なる点も覚えておきましょう。
役員運転手を利用するメリット・デメリット
続いては、役員運転手を利用するメリット・デメリットを見てみましょう。どちらも代表的なものを取り上げますが、デメリットにおいては委託会社に任せることで回避できる余地があることも多いので、よく検討してみてください。
役員運転手のメリット
役員運転手のメリットは、移動時間を有効に使える点にあるでしょう。とくに自社の社用車を使う場合であれば、役員は車内を自社オフィスのように気兼ねなく使うことができます。資料を広げたり、飲食を済ませやすかったりもするでしょう。
また役員の行き先が固定されていることが多いのであれば、逐一指示を出さなくとも事情を理解した役員運転手が、すぐに行き先まで運転してくれます。加えて役員運転手は毎日長い時間を役員と過ごすので、次第に役員の性格や仕事のこだわりなどを理解し、より役員が仕事に集中しやすい環境づくりに徹しやすくなるという長期的なメリットもあります。
役員運転手のデメリット
デメリットとしては、適性のある人材を雇用したり育成したりする手間がかかる点にあります。自社雇用の場合はとくに顕著で、労務管理なども自社で行うとなるとかなりの労力が必要になるでしょう。自社に役員運転手の管理方法が確立されていないと、業務効率を落とさずに役員運転手を利用するのが難しくなる可能性があります。
ハイヤーを利用するメリット・デメリット
最後に、ハイヤーを利用するメリット・デメリットを解説します。ハイヤーの素晴らしい送迎対応には目を引くものがありますが、思いがけないデメリットもあるので事前に把握しておくことをおすすめします。
ハイヤーのメリット
ハイヤーを利用する最大のメリットは、そのVIP待遇にあるといえるでしょう。ハイヤーで使用する車両はその多くが最高級車両であり、乗り心地がよいのはもちろん、空気清浄機が搭載されている車両も多いのでより快適な空間で過ごすことができます。
またハイヤーは要人送迎の専門家で臨機応変な対応に優れており、訪問先の変更なども迅速に対応してくれるメリットがあります。ちなみにハイヤーでは高級感のある黒塗りの車両がよく採用されるので、どこに出ても恥をかくことがない安心感も大きな魅力です。
ハイヤーのデメリット
ハイヤーのデメリットは、役員が車内で仕事をしづらい点にあります。役員運転手に自社の社用車を運転してもらうのであれば、ある程度リラックスして車内をオフィスのように使えます。しかしハイヤーの車両はクライアント企業のものではなく、あくまでハイヤー会社の所有物です。
そのため、あまり役員は好きなようにくつろげないかもしれません。専属契約を結んでいなければ、そのハイヤー車両はほか社も利用する車両になるので、よりキレイにマナーを守って乗らなければならないでしょう。また、役員の行き先がいつも同じであれば、その都度行き先を伝えなければならない点も少し手間がかかります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。今回は役員運転手とハイヤーの違いを解説しましたが、いかがだったでしょうか。役員が移動中も仕事をすることが多かったり、行き先が固定されていたりすれば役員運転手がよいかもしれません。一方で送迎におけるVIP待遇を重視する場合や、運転手の雇用管理をほか社にお願いしたい場合はハイヤーの利用がよいといえるでしょう。どちらの場合も送迎のスペシャリストであることに変わりはありませんが、両者の違いやメリット・デメリットを理解したうえで、自社で利用するのはどちらがよいのかをよく吟味しましょう。